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−続・ガラス原料あれこれ(4)−
[ガラスの色の変化 ]
ガラスを着色する際には、主に『酸化雰囲気』(炉内にたくさん酸素がある)と、『還元雰囲気』(酸素が少ない)の2つのベースでそれぞれの着色剤によりさまざまな色に着色されます。
<参照>
あれこれ(2)
http://www.glass-kougeihiroba.jp/arekore/index02.html
あれこれ(3)
http://www.glass-kougeihiroba.jp/arekore/index03.html
このうち、「酸化雰囲気系の着色剤は発色が安定している」と「あれこれ」で書きました。特に希土類系(酸化エルビウム、酸化ネオジムなど)は本当に発色が安定しています。ところが酸化第二銅や酸化クロム、酸化ニッケルなどは微妙に色が変化します。
ガラスを炉で溶融する時の温度の高さや変化具合、またベースになるガラスの組成具合、つまり使用する原料の微妙な変化などで、どんどん色が変わってしまいます。
たとえば、当社のサングラス・フリットのNO.6のシアンブルーを例に取ります。
この色は酸化第二銅と酸化クロムによる着色ですが、酸化第二銅がクロムに対して数倍多く入っています。このような場合、特にメインの着色剤が片方の着色剤に影響を受けて、さらに色調が変化しやすいのです。
まったく同じ調合内容で溶融しても、溶融具合で微妙に色が変わることも珍しくありません。ビンや食器などのガラス製造メーカーでは、こうした色調変化を見越して、色調の変化の「限度見本」を作っておいて、あらかじめ客先の了解を取るといった方法を取ることもあります。
それから、いったんガラスになった状態でも、たとえば当社のNO.46のセピアは加熱することによって、さらに濃いピンク色に変化します。こういう色をストライキング・カラーといいます。この変化は、赤色や黄色でも良く見ることが出来ます。ただし特に赤や黄色の濃い色の場合、加熱しすぎると、透明性を完全に失ったり(失透)、熱膨張の度合いが変化したり(結晶化による)ことがあるので、要注意ですが。
まったくガラスって、微妙ですね。その中で安定した品質のガラスを作るというのは、実に大変なことなのです!と、これはかなり言い訳じみてしまいましたが。^^;;;
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