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−続・ガラス原料あれこれ(104)−
 
[ガラスの始まり]

※(続・ガラス原料あれこれは当社のメールマガジンのバックナンバーです。)


新年明けましておめでとうございます。
昨年はオリンピックなど元気になれる出来事が
多い1年でした。
今年もぜひ、明るい楽しい話題の多い良い年に
なって欲しいですね。

さて、今回は今年の「始まりの回」ですので
「ガラスの始まり」についてお話しします。

今でこそ私達の身の回りにはたくさんのガラスが
ありますが、そもそもガラスはどのようにして
発見されたのでしょう?
「ガラスの始まり」については諸説ありますが、
有力な説は2つあるようです。
ひとつは、ある商人が偶然砂浜でソーダ灰の袋を
竈にして火を使ったら竈の下で砂とソーダ灰が
混ざって溶け、きれいな透明の石(ガラス)が
できていた、という話。
もうひとつは、陶磁器を焼成したときに表面に
塗ってあった釉薬が垂れおちて偶然塊になったもの
(陶磁器の釉薬はガラス質)がきれいだったので
その後価値が付けられた、という話。
どちらもたまたま起きた現象ですが、この偶然が
ガラス発見につながりました。

ガラス製品が最初に作られたのは古代文明で
有名なメソポタミアで、紀元前4000年頃には
表面にガラス質の釉薬がかかった石のビーズが
存在していました。
紀元前2300年頃になると、釉薬としてではなく
きちんと調合された上質なガラスが作られ始めます。

はじめは丸玉や管玉などの玉を鋳造技法で
作っていましたが、紀元前1600年頃になると
びんや容器を作る技法(コア技法)が使われ始め、
その後メソポタミアから技術が伝わりエジプトでも
盛んにガラス容器が作られるようになります。
コア技法とは、まず作りたいガラスの内側部分を
粘土で作り、そこに溶けたガラスを被せ、ガラスが
固まったら粘土を壊して取り出し器を作るという
技法です。

コアガラスはガラス原料に様々な鉱物を混ぜる
ことによって自在に色を出すことができましたが、
製作方法に手がかかり、色のノウハウも門外不出と
されることが多く、結果ガラス製品はごく一部の
王侯貴族だけが持つことのできる大変高価なもので
あったとされます。

そんなガラス界に大革命をもたらしたのが紀元前
1世紀頃にローマで発明された「吹きガラス技法」です。
溶けたガラスを竿の先に付けて息を吹き込めば
様々な形の器ができ、コアガラスでは作れなかった
大型のガラス製品も作れました。最大の利点は
短時間で大量に生産が可能なこと。
これまで高価だったガラス製品を一気に大衆の
ものにした大発明でした。
この吹きガラス技法発見を機にガラスはその技術と
ともに一気に世界へ広まります。
ローマからヨーロッパ、インド、中央アジア、
東南アジア、中国、そして日本へ・・・。

コップやビン、建物や自動車の窓ガラス、テレビの
ディスプレイや医療用ガラスなど、今やガラスは
私達の生活には欠かせない存在となっています。
その全ての始まりは5000年以上前の偶然の発見から
だったのだと思うと、なんだか不思議で素敵ですね。

そんな大昔から現代まで続くガラスの世界に、当社も
ガラス原料会社としてもっともっと貢献していきたいと
考えています。そしてこの先の未来へガラスがずっと
続いていきますように。

本年もどうぞよろしくお願い致します。



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