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−続・ガラス原料あれこれ(16)−
 
[寒色と暖色]

さて、今回のテーマは「寒色と暖色」です。
以前「ガラス原料あれこれ」のページで紹介しましたように
ガラスの着色のやり方として、「酸化雰囲気」で発色させるものと、
「還元雰囲気」で発色させるものがあります。
http://www.glass-kougeihiroba.jp/arekore/index02.html
http://www.glass-kougeihiroba.jp/arekore/index03.html
(酸化/還元雰囲気は、ガラスを溶融する際に回りに
たくさん酸素があるか、少ないかということです。)

それで、なぜか寒色系の色はほとんどが「酸化雰囲気」で
発色させるものなのです。これはたぶん偶然の一致なのでしょうが、
不思議なくらい一致しています。
たとえば、さっきの水色。これは酸化第二銅を少量使います。
もちろん酸化雰囲気です。あまり還元雰囲気で試したことはありませんが、
たぶん冴えない緑色になるか、もっと還元雰囲気になれば、
金属銅がガラスの中に析出といったことさえありえます。
ミント色は酸化クロムを少量使います。この酸化クロムは有害とされる
六価クロムとは違いますので、念のため。これも酸化雰囲気です。
あと、紫色(マンガン)、インク・ブルー(コバルト)
緑色(酸化第二銅+酸化クロム)も全部、酸化雰囲気系です。

で、寒くなるととたんに恋しくなる暖色系の色、たとえば、
アンバー色とか、赤、オレンジ、黄色、茶色。これらはすべて
還元雰囲気系なのです。
しかし、ここまで来ると、何だか偶然の一致とも思えませんね。
何かの理論があるのかもしれません。ご存知の方は、是非ご一報下さい。
ついでに言いますと、酸化雰囲気のガラスの方が、ガラスの溶融は楽なのです。
還元雰囲気のガラスはなかなか泡が切れにくい場合が多いですし、
発色も不安定な場合が多いのです。

今回は、「寒色と暖色」、酸素次第という不思議な縁の話でした。


 
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