[「和色」=日本の色の話U]
3月も今週でおしまい。いわゆる年度末です。 今年は暖冬でしたが、最後に寒い日が続きました。 それでも、今週になって暖かくなり、桜も一気に開花 し始めました! やっぱり桜はいいですね。 日本人の美意識の原点のような気がします。
さて、今回は「和色」=日本の色の話Uです。 昨年の9月のメールマガジンでお知らせした和色シリーズが ようやく4月から販売出来ることになりました。 永らくお待たせして、申し訳ありませんでした。 和色シリーズの発売を記念して、サングラスのネット通販でも ポイント・ダブルキャンペーンを行います。 詳しくは、このメールの最後をご覧下さい。 今回完成した色は、 水浅葱(みずあさぎ)、苔色(こけいろ)、鉄納戸色(てつなんどいろ) 一斤染(いっこんぞめ)、二藍(ふたあい)、蜜柑色(みかんいろ) の6色です。
日本の伝統色は、そのほとんどが染織の色に由来しています。 また、室町時代までの古代色と江戸以降の近世色に大別されます。 古代社会では色彩が貴族階級で専用され、庶民は色彩を自由に 用いることができなかったのです。 たとえば一斤染は淡い紅色ですが、当時(平安時代)紅色は 高価だったために禁じられていて、一斤染がその色の濃度の 限界となっていたそうです。 近世になってからは、そういう制約が減りかなり自由になりました。 さらに江戸時代になってからは、流行色の概念も出てきました。 たとえば、江戸紫の色相も江戸前期は赤味の紫だったが、 江戸中期から後期になって青味の紫に変化していったようです。 江戸中期の頃から流行色が瑠璃色、紺桔梗、藍鼠などの 青味の色にうつったので、江戸紫もその影響を受けたようです。
でも、これってすごく面白いですね。江戸時代に、既に流行が あったのですね。染織業者が流行を願ってファンシーネーム (業者が思いつきでつけた名称)をつけたりしたこともあったそうです。 現在のコマーシャル社会とあまり変わりませんね。 (参考文献:日本の傳統色 長崎盛輝著 京都書院)
日本の伝統色の基本は、茶系統と鼠系の色とそれに 紫系と紅系だと思います。そのほとんどが植物由来の 染色を用いますので、くすんだ色合いが中心となります。 あるいは、日本人独特の感性がそういうくすんだ色を 選び取って行ったのかもしれません。逆にそういう色 に囲まれて、日本人の感性が育っていったのかもしれません。 どちらが、卵か鶏か。
今回は和色の話Uでした。 これからますます、日本独特の感性が日本国内のみならず、 世界でも重要視されるようになってくると思います。
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