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−続・ガラス原料あれこれ(35)−
 
[「和色」=日本の色の話U]

3月も今週でおしまい。いわゆる年度末です。
今年は暖冬でしたが、最後に寒い日が続きました。
それでも、今週になって暖かくなり、桜も一気に開花
し始めました!
やっぱり桜はいいですね。
日本人の美意識の原点のような気がします。

さて、今回は「和色」=日本の色の話Uです。
昨年の9月のメールマガジンでお知らせした和色シリーズが
ようやく4月から販売出来ることになりました。
永らくお待たせして、申し訳ありませんでした。
和色シリーズの発売を記念して、サングラスのネット通販でも
ポイント・ダブルキャンペーンを行います。
詳しくは、このメールの最後をご覧下さい。
今回完成した色は、
水浅葱(みずあさぎ)、苔色(こけいろ)、鉄納戸色(てつなんどいろ)
一斤染(いっこんぞめ)、二藍(ふたあい)、蜜柑色(みかんいろ)
の6色です。

日本の伝統色は、そのほとんどが染織の色に由来しています。
また、室町時代までの古代色と江戸以降の近世色に大別されます。
古代社会では色彩が貴族階級で専用され、庶民は色彩を自由に
用いることができなかったのです。
たとえば一斤染は淡い紅色ですが、当時(平安時代)紅色は
高価だったために禁じられていて、一斤染がその色の濃度の
限界となっていたそうです。
近世になってからは、そういう制約が減りかなり自由になりました。
さらに江戸時代になってからは、流行色の概念も出てきました。
たとえば、江戸紫の色相も江戸前期は赤味の紫だったが、
江戸中期から後期になって青味の紫に変化していったようです。
江戸中期の頃から流行色が瑠璃色、紺桔梗、藍鼠などの
青味の色にうつったので、江戸紫もその影響を受けたようです。

でも、これってすごく面白いですね。江戸時代に、既に流行が
あったのですね。染織業者が流行を願ってファンシーネーム
(業者が思いつきでつけた名称)をつけたりしたこともあったそうです。
現在のコマーシャル社会とあまり変わりませんね。
(参考文献:日本の傳統色 長崎盛輝著 京都書院)

日本の伝統色の基本は、茶系統と鼠系の色とそれに
紫系と紅系だと思います。そのほとんどが植物由来の
染色を用いますので、くすんだ色合いが中心となります。
あるいは、日本人独特の感性がそういうくすんだ色を
選び取って行ったのかもしれません。逆にそういう色
に囲まれて、日本人の感性が育っていったのかもしれません。
どちらが、卵か鶏か。

今回は和色の話Uでした。
これからますます、日本独特の感性が日本国内のみならず、
世界でも重要視されるようになってくると思います。


 
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