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−続・ガラス原料あれこれ(13)−
[不透明な話(2)]
さて、「不透明な話」の続編です。
前回の「あれこれ」で不透明ガラスのお話をしました。
そのうち、特に今回は「オパール」ガラスについて、
さらに話を進めてみたいと思います。
前回お話した通り、オパールなどの不透明ガラスは
熱処理の温度、時間によって濃さがどんどん変わっていきます。
これは、ガラスを軟化点以上の一定の温度に保つことによって
ガラスの中に結晶が生成されていくためです。*
ですから、処理温度が高く、時間が長いほど結晶物は多くなります。
ただし処理温度を上げすぎると、ガラスは溶融状態となり、
結晶は消えてしまいますが。
*リン酸化合物の場合には分相(=2つ以上の違う成分のガラスに分かれる)
が起こると考えられていますが、話が複雑になりますので、
ここはあまり触れないで話を進めます。
さて、そうやってガラスの結晶がたくさん出来すぎると
今度はベースのガラスよりも違った状態の結晶物が多くなりすぎて、
陶器=セラミックのような表面がざらざらの状態となります。
そうなると非常にもろくなりますし、通常のガラス状態と
違ったものとなってしまいます。
そうなると、そのガラスの熱膨張(熱による伸び縮み)
も変わってしまいますので、合わせガラスの場合にも
割れやすくなったりします。
当社のサン・グラスカラーの内、赤ギョク、黄ギョクなどは
測定上は熱膨張係数はAスキとほぼ近い値なのですが、
成形時に熱を加えすぎることによって、結晶化が進み過ぎて
合わせガラスとして使用した場合、割れてしまうケースが
多く見られたため、現在は合わせガラス用にはお勧めしておりません。
オパールについても、キャスティングでの一例として、
860℃/2時間という条件ですと、完全にセラミックに近い状態まで
結晶が進んでしまいました。
このオパールは通常の吹きガラスの条件で使用した場合には
とても安定したオパールの発色を見せるのですが、使用条件で
大きく変わってしまう例です。
現在、その条件でも安定したオパールの発色になるように、
添加剤であるリン酸化合物の量を1/3以下に減らしてみるなど
開発中です。
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