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−続・ガラス原料あれこれ(12)−
[不透明な話]
さて、今回は「不透明な話」です。
それこそ不透明な言い方ですが、今回テーマにしたいのは、 不透明ガラスです。
一般に不透明なガラスを、その不透明度や製法の違いによって不透明度の濃い順に「ギョク」「アラバス(ター)」「オパール」などと呼びます。
ガラスは本来透明なものですが、これらの不透明なガラスは ガラスの中に結晶物やコロイドを発生させて光を散乱させることで 結果的に不透明に見えるようにしてあります。
「ギョク」は陶器のように真っ白(着色している場合もありますが)なガラスです。
通常フッ化物でガラスを混濁させます。 サン・グラスカラー・フリットの色ギョクは
その名前の通りギョクガラスをベースにしています。
「アラバス(ター)」は少しだけ透明度のあるガラス。 昔のオロナイン軟膏の容器
(現在は「ギョク」ガラス)にも 使われましたね。
天然石のアラバスターに似た質感を持っているので この名称が付きました。
このガラスは硫酸バリウムとフッ化物を併用しますが、
溶融する際に溶融ガラスの表面にゴールという硫酸ソーダの液状のものが
浮くので、注意深く取り除く必要があります。
「オパール」は半透明なガラス。 これはリン化合物をガラスに添加します。
宝石のオパールのように光線の具合や見る角度で色調が変化したりします。
オパールガラスがそんな風に見えるのは、ガラスの中の リン化合物が作る粒子の大きさがちょうど光の波長に近い ためだそうです。
参考までにこんなHPがありました。
http://www.keirinkan.com/kori/kori_physics/kori_physics_1/contents/ph-1/4-bu/4-3-2.htm#Anchor-3854
難しいですね。 これらのガラスは、セレン赤のガラスのように再加熱によって、
その不透明度が濃くなります。ですから元の調合が同じガラスでも成形時の熱の加え方によって違った透明度になります。
また、特にギョクの場合、あまり長い時間再加熱したすると結晶が増えすぎて陶器のようなざらざらしたガラスになったり、 熱膨張が変化して割れやすくなることもあるので注意が必要です。
当社が最近発売したサン・グラスカラー・ビレットのオパールも、ビレットの状態ではほとんど透明ですが、熱処理の温度と時間で どんどん濃さが変わっていきます。
630℃で2時間保つ熱処理した場合と 同条件で700℃、750℃、800℃にした場合では、同じガラスとは思えないぐらい 不透明度(白色度)が変わっていきます。
このオパールの場合700℃、2時間がベストの発色でした。
現在、大型サイズのキャスティング向けに、もう少しオパールの発色を抑えた
「薄オパール」も開発中です。
以上、今回は不透明な話でした。景気の具合は透明な方がいいですねぇ
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