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−続・ガラス原料あれこれ(11)−
 
[ガラス溶融時の熱の伝わり方について]

さて、今回は「ガラス溶融時の熱の伝わり方」です。
わかりにくい表現になりましたが、要するに、ガラスを溶融するときに
窯(ルツボ)の中で窯の熱がどのようにガラス(バッチ)に伝わるか ということです。
皆さんも学校で習った記憶があると思うのですが、熱の伝わり方は、3つあります。
「伝導」、「対流」、「放射」ですね。
しかしガラスが溶融される時、窯の中ではこの3つのすべての現象がまんべんなく起こっている訳ではありません。

特に「対流」、つまりガラスがルツボの中で循環する といったことは、
ほとんど起こらないと言われています。
ガラスはルツボの中であまり循環しないようなのです。
だから調合時にきちんとブレンドすることが重要なのですが。

次に「伝導」です。物質を通して熱が伝わっていく現象ですね。
窯の熱はルツボの壁を通して、ガラスに伝わります。でも外から順番に伝わりますので、ルツボの中心や底にあるガラスには熱が伝わりにくくなりますよね。

それから「放射」です。離れた場所でも熱線によって暖められる という現象です。
遠赤外線ヒーターのイメージですね。 ガラスは溶けてしまえば透明ですから、
熱線はルツボの中心にあるガラスにも届きます。
でも濃く着色したガラスの場合には、熱が伝わりにくくなります。
ちょうど深海には太陽の光があまり届かないように、
着色ガラスは熱線の恩恵が受けにくいのです。
ということで、着色ガラスの場合には ルツボの底に行くに従って、
ガラスが不均質になる (ガラス業界用語で「バる」とか言います)トラブルが起こりやすくなります。 ですから、たとえばAスキに着色原料を混ぜて溶融した場合、
Aスキそのままの時よりも、溶融しにくいといった現象が 起こりやすくなります。

ガラスって難しいですね。
今回はガラス溶融界の3大巨匠のお話でした。あれ?


 
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