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−続・ガラス原料あれこれ(18)−
[ガラスのお化粧!?(消色)]
さて、今回のテーマは「ガラスのお化粧」です。
ガラスもお化粧をするのです。お化粧とは変な言い方ですが、
ガラスも「消色」というお化粧をするのです。
無色透明のガラス(食器業界では「スキ」、ビン業界では「シロ」と呼びます)を
作ろうとしても、どうしてもある程度の不純分は避けられません。
不純分の一番多い要素は鉄分です。鉄はいたるところに存在しますから。
特に天然成分である珪砂の中に鉄分が入ってくるのは避けられません。
FAスキに使用しているオーストリア産のフラタリ珪砂で、
鉄分は80-100PPMほどです。
Aスキに使用している純度の高いHC珪砂では鉄分がさらに
30PPMぐらいに下がります。
30PPMということは、100万分の30ですからすごく少ない量です。
0.003%ということですよ!
それでもこれらのガラスを、消色をしないままにしますと、
うっすらとですが鉄分の淡黄緑色に着色しているのが、
はっきりわかります。
そこで消色の登場です。
消色は通常「物理的消色」と「化学的消色」に別れます。
「物理的消色」は、鉄分の淡黄緑色に対応した補色の
ピンク色、青色の着色剤を入れることにより
人間の眼で見て、鉄分の色が見えないようにするものです。
「化学的消色」は、硝酸ソーダなどの酸化剤を入れることに
よって(つまり酸化雰囲気にするということです)
鉄分を青色から目立たない淡黄緑色にすることによって
消色の効果を得ようとするものです。
この消色(特に物理的消色)に使用する着色剤と添加量は
ガラスメーカー各社によって様々なノウハウがあります。
特にクリスタル・メーカーは、その独自のガラスの色調が
特徴となっているので、トップシークレットとなるケースが多いのです。
もちろん当社のAスキ、FAスキも独自の消色を行っております。
そのお化粧具合(着色剤)によって、不思議なくらい大きく
ガラスの印象が変わります。
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