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−その他の原料−
これまで、
ガラスの骨格を作る原料
と
ガラスを着色する原料
について、お話を進めてきました。最後は、 それ以外のガラスの原料について。
[ フッ化物 ]
フッ化物
をガラス原料に使用するケースは2通りあります。
一つは、ガラス原料が溶解してガラスになるときに、よりスムーズにガラスになるようにする、溶融促進剤としての 役目。
フッ素(F2)
はガラスの粘性(ねばっこさ)を下げ、また原料の溶解を助けます。
もう一つは、ガラスを、不透明なガラス−いわゆる
x(ギョク)
にする乳濁剤としての役目。これは、ガラス中に フッ素の粒が入って、光を乱反射させることで、透明なガラスを不透明にさせる訳です。
フッ化物
としては、
蛍石(CaF2)、クレオライト(Na3AlF6)、珪フッ化ソーダ(Na2SiF6)
、 などがあります。溶融促進の目的の場合には、バッチの0.5%程度添加します。乳濁剤としては、その 不透明さの濃淡に応じて、量が変わります。
また、
フッ化物
以外に
硫酸バリウム(BaSO4)
を添加することによって、
アラバスター(半透明のガラス)
も作ることができます。
[ リン化合物 ]
リン酸(P2O5)
は主にいわゆるオパールを作る時に添加されます。フッ素と同じように、透明なガラスの 中に粒を作って光を乱反射させますが、フッ素よりもその粒が少し大きいために、少し違った濁り方を 示す訳です。
また、
リン酸
は、
シリカ
と同じようにガラスの骨格を作る元素でもあり、
リン酸塩ガラス
といって、 リンが主体のガラスの特殊ガラスもあります。
リン酸
の化合物は色々ありますが、ガラス原料には、
第二リン酸カルシウム(Ca3(PO4)2)
などが主に用いられます。
[ 硝酸塩類 ]
むずかしい言葉ですが、
硝酸ソーダ(NaNO3)、硝酸カリ(KNO3)、硝酸バリウム(BaNO3)
などが あります。
硝酸塩類
は、火薬の原料に用いられるように、反応が強くガラス原料の溶解を助けます。また、 着色剤のところで出てきた
酸化雰囲気
を作るのに大事な原料です。
酸化雰囲気
のガラスには必須の 原料となります。また、鉛クリスタル・ガラスでも、原料の酸化鉛が金属鉛に戻って(還元されて) 黒くならないようにするためにも、大事な原料です。テレビのブラウン管のガラスの原料にも使用されています。
逆に言うと、
還元雰囲気
のガラスには
硝酸塩類
は使えないので、少し溶融が難しくなるという舞台裏が あるわけです。
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