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−続・ガラス原料あれこれ(8)−
 
[ガラス原料の品質管理 ]

当社はバッチなどのガラス原料を製造しています。またフリット、カレット、ビレットなどのガラス素材も製造販売しています。これらの製品を間違いなく作るために、我々はいろんな形で製造の管理を行っています。

その際まず大事なのは、使用する原料の吟味です。
たとえば当社のバッチの中でポピュラーなAスキ・バッチについて説明します。
まずシリカ(SiO2)を与える珪砂(けいしゃ)が全体の50〜60%を占めます。珪砂は天然物ですので、不純分として鉄分や重金属の混入をきびしく管理しています。
珪砂の鉄分が0.05%ぐらいになると、もう緑色のガラスになってしまいます。重金属は数ppmで着色を感じさせてしまいます。Aスキに使用しているMKシリカという珪砂の鉄分は30ppm程度(0.003%)です。

それから次に多いのが、ソーダ灰(Na2O3)。一口で言うと珪砂を溶かすための溶融材みたいなものです。Aスキの場合には、同じ仲間(アルカリと言います)の炭酸カリ(K2O3)も入ります。両方で約20%ぐらい入ります。あとは、いわゆる「足を長くする」(温度による粘性の変化を少なくする)性質を持たせるために酸化亜鉛(ZnO)など色々な原料を添加します。これらの原料は工業生産品なので、品質は比較的安定しています。鉄分などの混入もあまりありません。

さて、いい原料を用意していたとしても、調合を間違えてしまうと何にもなりません。
Aスキの場合には、これら使用する原料の種類が14もあります。当社の工場では調合表に基づいて、大きな数量のものは原料タンクからコンピューター制御で自動的に計量し、それ以外は手で計量します。それらの計量記録はすべてプリンターに印字されて残されます。計量された原料はミキサーに投入され、良く混合され、袋詰めされます。
製造後は、必ずロットごとにサンプルも保存します。出荷前には、必ず計量記録を調べた上で出荷します。また、何か問題が起こった時にも、計量記録を調べたり、保存サンプルの分析を行ったりします。このようにして、当社のバッチは製造されています。

そして、さらにその品質を高めようと、当社では今回ISO9001:2000版の認証を取得しました。皆さんもご存知のように、ISOはヨーロッパ生まれの品質規格です。顧客の要望を重視し、安定したより品質の高い製品を作るための仕組みとでも言いましょうか。

このISO9001:2000の取得を機会に、当社ではこれからもさらにガラス工芸に役立つ製品を作るよう心がけて行きたいと思います。
今回は少し会社の宣伝になってしまいました。(^^;;;


 
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