[ガラスと環境問題]
11月も今日でおしまい。 今年の紅葉は例年よりかなり遅かったですが、 11月後半になって一気に進んだようです。 その分、紅葉も鮮やかです。 今年の京都の紅葉は、すごい!ですよ。
さて、そうやって自然を愛でるためにも、 今後ますます、環境を守るという意識は欠かせないものに なっていくでしょう。 ただ、一方でそれが変に神経質になり過ぎて弊害が 出てくるのも困ったことですが。
今回のテーマは、「ガラスと環境問題」です。 少し重たいテーマです。 前回のクリスタル・ガラスのお話の時にも 鉛の規制について少し触れました。 ヨーロッパを中心にローズ指令などで、鉛、カドミ、 六価クロムなどがその規制の対象になっています。 その面からすれば、ガラスに使用する原料に規制が 増えてくるのは今後避けられません。 (ローズ指令そのものは電気・電子製品に対するものですが)
自動車の鮮やかな黄色のフォグランプも最近では あまり見られなくなりました。 黄色の発色原料であるカドミが避けられるようになった ためでしょうか。 もちろん、カドミを使用しなくても黄色のガラスは セリウムなどで作れます。 しかし、たぶん黄色がカドミを連想させるということで、 黄色のフォグランプが少なくなったのではないかと、 自動車業界の門外漢の私は思っています。
しかし、一方でガラスそのものは環境問題の側面からすれば、 優等生なのです。 ガラスは、中の成分を安定的に閉じ込めます。 放射性物質の処理・処分のための安定化にも ガラスは使われているぐらいですから。 容器としても、ガラスビンは環境の優等生です。 ただ、日本では相変わらずペット・ボトルが優勢で ヨーロッパに比べると恥ずかしい限りですが。
当社としても、今後ともガラス原料に使用する原料は 過度に神経質にならず、時代の趨勢を見ながら、 慎重に適宜選択していくつもりです。 どうしてもこの色はこの原料を使わないと出ない、 ということはありません。代替原料は存在します。 まったくイコールではないにしても。 その差をどうとらえるか、ですが。
今回は難しいテーマでした。 さあ、週末は京都できれいな黄色を楽しむぞ!
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