[2006年のガラス]
今年も、もう残りわずかになりました。 本当に一年って早いですよね。 今年は暖冬模様で、大掃除も楽になりそうです。
今年2006年は、あらゆる資材が上がった「値上りの年」という風に、 後で記憶される年になると思います。 ガラスの主原料である珪砂や長石も、船舶運賃の上昇などで値上りしました。 それから主要な原料でも、 硼砂、硼酸、硝酸ソーダ、炭酸カリウム、炭酸リチウム、 水酸化アルミ、酸化鉛(リサージ、鉛丹)、炭酸バリウム、ジルコン、 希土類(エルビウム、ネオジウム)、酸化銅、酸化ニッケル、 酸化コバルトなどの価格が上昇しました。 ほとんど全部!って言っても過言ではないですね。 特に、亜鉛、鉛、ニッケル、銅などの非鉄関連の値上りは すさまじく、亜鉛価格は年初の3倍以上(!)に跳ね上がりました。 鉛はブラウン管の国内生産中止のあおりで、メーカーの加工賃も 大きく上昇しました。 炭酸リチウムも3倍近く上昇しましたし、さらに悪いことに 品物がタイトになり、原料確保に苦労する場面もありました。 そのような状況下、当社もやむを得ず2回も値上げを お願いすることとなってしまいました。 その際には、皆様のご理解、ご協力まことにありがとうございました。 また、ガラスの溶融、生産が間に合わず、一部製品の 納期が遅れましたことも、改めてお詫び申し上げます。
このように、産業資材の価格はすごい勢いで上昇していますが、 消費物価はほとんど上がっていない状態です。 それは中国を中心とする海外への生産シフトによる 生産コストの圧縮や、長引いた不況からの過当競争体質 によるものでしょうが、それにも限度があると思います。 たぶん来年度は消費物価も上昇に転じるのではないでしょうか。
一方、ガラス工芸の世界も、長びく不況にここ数年足踏み状態 でしたが、ここへ来て回復傾向が出てきました。 当社の工芸向け原料(バッチ、カレット)の出荷量も10%以上伸びました。 また、美術系大学を中心に、ガラス工芸科が新たに設置される動きも活発になってきました。 ガラス工芸のすそ野がますます広がっていくようです。
さて、来年2007年度はどのような年になるでしょうか。 このメールマガジン9月号で予告させて頂きました、 ビレット「和色」シリーズもガラスの溶融、生産がなかなか追いつかず、 延び延びになっていましたが、来年度の早い時期には発売できると思います。 新色については、フリット、ビレットともに今後とも 積極的に増やしていくつもりです。どうか、ご期待下さい。
今年一年、ご愛読ありがとうございました。 来年度も「ガラス工芸広場」をよろしくお願い申し上げます。
|