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−続・ガラス原料あれこれ(38)−
 
[ガラスの調合設計]

梅雨の最中です。
今年の梅雨はどうやら陽性のようで、からっとしています。
でも、やっぱり暑いですね。
ガラス作家の皆様、特に吹きガラスの方はこれからしんどい
季節を迎えます(文字通り汗;;;)。

さて、今回はガラスの調合設計という少しクールなお話です。
我々はガラス原料メーカーとして、日々色々なガラスに携わっています。
お客様のリクエストを踏まえて、ガラスの調合設計を行います。
ITなどの産業素材向けに関しては、お客様が調合設計をして
当社に調合指示をする場合もありますが、当社が独自に設計するケースも
数多くあります。

ガラスの調合設計という行為を少しおさらいします。
ガラスは、様々な原料を一定の比率で混ぜ合わせて作るバッチ
が溶融されることによって出来ます。
そのガラスの特性はほとんどバッチの設計で決まります。
どの原料をどれくらい入れるかで、特性が変化していくのです。

ガラスの特性にも、色んな側面があります。
たとえば、熱膨張というファクター。
これまで何度か触れましたが、ガラスが熱によって伸び縮みする度合いです。
熱膨張が大きいほど熱衝撃(温度変化)に弱いガラスになります。
逆に小さければ熱衝撃に強いガラス、いわゆる硬質ガラスとなります。
それから、工芸の世界で重要なのは色。
ガラスに使える着色原料は限られていますし、またベースのガラス組成
によっても色が変化します。また、絵具のように自由に混ぜて色を作る
という訳にもいきません。
またガラスの作業性も大事なポイントです。
溶融している状態から冷えていく時に、すぐ固くなるガラスだと
成形する時に(特に吹きガラスなどの場合)非常に扱いづらいガラス
になってしまいます。
逆に機械で自動成形する場合には、すぐに固まるガラスの方が有利です。
ガラスの化学耐久性も重要です。
いくらいいガラスでも、すぐに曇ってきたり、表面が白くなったりしては困ります。
ガラス原料全体のコストを安くすることも、とても大事なことです。
相変わらずの悲鳴を上げたいほどの素材インフレは続いていますので、
これも重要です。

このような色々なファクターを考慮しながら、ガラスの調合設計を
行います。
我々が扱うのは主にソーダ石灰ガラス系(いわゆる並ガラス)か、
硼珪酸ガラス系(いわゆる硬質ガラス)のガラスがほとんどですが、
その中でも無限のバリエーションがあります。
調合設計はとても難しい作業ですし、プレッシャーもかかりますが、
うまく行った場合にはとても充実感を覚えるときもあります。
サングラス・カラーの「和色」シリーズの設計の時は、とても
楽しかったです。さらに「和色」を増やすつもりです。
蘇芳(すおう)色とか藤色なんてどうですか?

今回はガラスの調合設計の話でした。
ちなみにガラスの調合とお料理って少し似ている面がありますね。
最近実感しています。
昨日はソラマメのヴィシソワーズを作りました。
何かをほんの少し足すだけで、出来上がりが微妙に違ったりします。
今回は玉ねぎを入れました。ガラスでの玉ねぎって何ですかねえ。


 
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