[ガラス工芸と建築]
7月も最後になりました。 でも、関東はまだ梅雨明け宣言してませんね。 最近は天候不順の年が多くなりました。
今回のテーマは「ガラス工芸と建築」です。 ガラスと建築の結びつきを考えた場合、最初に出てくるのは ステンドグラスではないでしょうか。 キリスト教会には必ず存在しているといっていいでしょう。 光を通した時のガラスの美しさを最初に私達に教えてくれたのは 教会のステンドグラスでした。 ガラスの一番いいところは、時間が絶っても色が褪せない、変化しない ということです。ですから、古い教会のステンドグラスも出来た時の 鮮やかさを今でも保って、我々の眼を楽しませてくれるのですね。
日本では住宅にステンドグラスを使うケースは少ないですが、 欧米では比較的ポピュラーのようです。 やはりキリスト教の影響でしょうか? しかし、最近では日本でも少しずつ増えてきました。 それからもうひとつ良く見かけるのが、ホールなどの公共建築 にあるガラスの壁画ですね。これはガラスのモザイク(小片)を 材料に使って絵を描く手法です。
さらに最近出てきたのは、ダルガラスという厚みが20〜30mm のガラス板を使って、ステンドグラスのように壁に使用するケースです。 これだと、強度も出ますので建物の外壁にも使用できます。 また、このダルガラスを表札に使うケースも出てきました。 これって、かなり斬新で面白い方法ですね。
http://www.kent-design.jp/club-kent-index.html
それから昔からポピュラーなのは、ガラスブロック。 これは外壁に使用することで外からの光を室内に取り入れる ことが出来、また強度も十分あるし、断熱性、遮音性、耐火性 にも優れているということで、ビル建築などにも使用されていますね。 最近では外国製のカラフルなガラスブロックも販売されて いるようです。
あ、もちろん板ガラスも建築には絶対欠かせないものですね。 ガラス工芸といったニュアンスからは少しはずれますが、 板ガラスなしでは、家は建ちません。 最新のビルではむしろ外壁が全部板ガラスで 覆われたビルなんていうのも珍しくないですね。 余談ですが、昔はどうやって板ガラスを作ったかご存知ですか? 職人さんが、大きな球や円筒状のガラスを吹いて それを切って板ガラスにしていたのです。 今は、溶けた錫のプールの上をガラスが通って 板ガラスになるんです。これもすごいですね。
当社もダルガラスを作る計画も持っています。 「和色」シリーズなどの日本独自の色彩感覚を 建築にも活かすことが出来ればいいなと思っています。
今回は「ガラス工芸と建築」でした。
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