[サングラス・カラーの作り方]
10月も今日でおしまい。 やっと秋らしい気候になってきました。 でも、今年の紅葉はかなり遅くなりそうです。 毎年11月になると、京都の紅葉をめでるのが私の大切な 年間行事なのですが、今年は12月にずれ込むとの予想ですね。 今年の夏の酷暑の影響もあるのでしょうが、やはり温暖化!ですか。
今回のテーマは「サングラスカラーの作り方」です。 このメールマガジンをご覧頂いている皆様はもちろん ご承知だと思いますが、サングラスカラーとは当社の ガラス工芸向けのガラス素材の総称です。 サングラスカラーの中には、色の濃淡と形状によって 色々な製品があります。 色の濃さの分類では、濃い方がサングラス・フリット、 薄い方がサングラス・ビレットとなります。 また形状の分類としては、細かいものを粒度別に管理したのがフリット、 ガラスの固まりを15cm以下に荒割したものがカレットB、 半球状のものがカレットT(ビレット)、1〜2cmのものがカレットS、 棒状のものがロッドです。 とてもややこしくすみません。 ですが、工芸家の様々な要望に答えるためには、これだけの アイテムが必要になるのです。
さて、それで本題です。サングラスカラーの作り方です。 まず、とにかくバッチから溶融してガラスにする必要があります。 200kg以上はいる大きなルツボにガラス・バッチを入れて、 1400℃の高温で12時間以上溶融しないときれいなガラスには なりません。 そうやって、きれいになったガラスを今度は加工します。 例えば、カレットT(ビレット)は小さなお椀のような金属の型に ガラス生地を流し込んで作ります。 型はきちんと温度管理する必要があります。 高すぎるとガラスが型に焼き付いてしまいますし、低いとガラスの 表面に「ビリ」といってクラックのようなものが出来てしまいます。 カレットSは、ガラスをいったんお好み焼きのように板状にしてから さっと水に入れて急冷します。それにより、微妙なクラックが 入り、1〜2cmに砕けやすくなります。 フリットは、このカレットSをさらに粉砕し粒度分けをして作ります。 また、ロッドは棒状の型にガラスをプレスして押し込んで成型します。
このようにガラスの成型加工には、大きな手間とエネルギーが 使われます。溶融炉のエネルギーである重油、ガス、それから、 人手もたくさんかかっています。 また、サングラスカラーは、それ自体が最終製品ではなく、 ガラス工芸家の皆様によってガラスの作品、製品になる前の ガラスの素材です。ですが、それなりの品質管理が要求されます。 たとえばカレットTは、キャスティングのようにガラスを溶かした 状態で型に入れて作品を作る場合に用いられる場合が多いので、 ガラスそのものの形状は、本来はあまり関係ないはずなのですが、 表面の形とか形状を気にされるケースが多いのです。 そのため、成型時でのロスも多く出てきます。 もちろん、ガラスの中に泡や未溶解物が入ることは厳禁ですが。
最近、これらの製造にかかわる人件費、エネルギー代などの経費が 大幅に上昇してきました。またバッチに使用する原料も高騰を 続けております。 当社としても、何とか企業努力でコスト上昇を吸収するべく努めて 参りましたが、あまりに上昇額が大きく、今回やむなく値上げを お願いすることに到りました。 何卒、ご理解のほど、よろしくお願い申し上げます。
今回は、サングラスカラーの作り方でした。 サングラスカレーはありません。 牛スネ肉のおいしいカレーのレシピはありますが(汗;)
|