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−続・ガラス原料あれこれ(67)−
[サングラス・バッチの種類]
※(続・ガラス原料あれこれは当社のメールマガジンのバックナンバーです。)
11月もそろそろ終わりです。
毎年この時期になると、京都の紅葉が気になって仕方が
ありませんが、どうやら今年は少し早めだったようですね。
でも大丈夫。まだまだ紅葉は楽しめるようです。
さて、今回のテーマは「サングラス・バッチの種類」です。
サングラス・バッチには何種類かのバッチがあります。
Aスキ、FAスキ、AKスキ、Kスキ、ALスキ、カリスキ、
SC−8などです。
まず、Aスキ。いわば、ガラス工芸向けの基本となっている
バッチです。
このバッチは、初めからガラス工芸向けとして設計されました。
AスキのAは、アーティストすなわちガラス工芸作家
様向けということです。
日本でスタジオ・グラスが定着し始めた当時、鉛成分(PbO)
が8%〜25%含まれた鉛クリスタル・ガラスが一般的でした。
鉛クリスタルは、光沢があって透明性も高いという
理由もありましたが、もうひとつの理由として、鉛を含有
したガラスの方がソーダ石灰ガラスに比べいわゆる「足が長い」
つまり、温度が冷めても、ガラスが固くなるのが穏やかなので、
ガラス工芸の作業がしやすいという利点がありました。
Aスキは鉛レスのソーダ石灰ガラスでありながら、亜鉛などの
成分を添加することによって作業性を高めるとともに、
カリ成分を増やすことで、ガラスの透明性、光沢を高め、
鉛クリスタルに遜色ないガラスが得られるようにしました。
Aスキはおかげさまで、たくさんのユーザー様のご支持を
頂き、現在でも当社の主力バッチとなっております。
FAスキはベースの調合はAスキと全く同じで、使用する
珪砂だけコストの有利なものにすることで、コストダウンを
はかったものです。
AKスキは、Aスキをベースにアルカリ成分(ナトリウムと
カリ)の比率をコントロールして、溶融性を高めたものです。
ALスキは、Aスキにリチウム成分を添加することによって
さらに溶融性を良くしています。
FAスキはもちろん、AKスキ、ALスキもほとんど
Aスキと使用感は変わりません。
このようにAスキから派生したバッチのグループ以外に
Kスキというバッチがあります。
このKスキは、元々はガラス工場様で主に照明用に
使用されていたガラスです。
工場向けですから、冷めが早く、手早い作業を求める
ガラス工芸作家様にご愛用頂いています。
また長石などを使用していますので、コスト的にも有利
となります。透明性はAスキよりも若干劣りますが、
かえってぬくもりが感じられるという声もお聞きします。
その他、カリスキはソーダ石灰ガラスをベースにカリの
成分を多くしたものです。
SC−8はその名の通り、鉛8%のセミクリスタルです。
色ガラスも、バッチで製造することは可能ですが、
溶融の状況で色調が変化することも多く、また、
着色原料によっては溶融性の悪い原料もありますので、
出来るだけ、サングラス・カレットSでのご購入を
お願いしております。
今回はバッチのお話でした。
さあ、今週末も3週連続で京都へ!
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